
3月20日。誰もが待ち侘びていたプロ野球は、開幕しなかった。人類は突如として現れた未知なるウイルスとの闘いを余儀なくされ、当たり前のように享受していた日常はあっけなく奪われた。
「半年後にはそんな事もあったね、と笑っているに違いない」ーー当初はそうした楽観的な予測も飛んでいたが、未だ一向に終焉が訪れる気配はない。まるでSF映画のような“非日常”が日常になった2020年。テレビを付ければ朝から晩まで危機を煽るようなニュースばかりが流れて来るし、SNSを見れば真偽不明の怪しい情報が多数の「いいね」を従えて闊歩している。
殺伐とした日常に辟易としながらも、しかし以前と何ら変わらない日常もかろうじて残されている。世界がいかなる困難に陥ろうとも、朝になれば中日スポーツが読めるという揺るぎない安堵感。
くだらないニュースショーやクソ以下のSNS情報に踊らされている暇はない。我々にはドラゴンズが、中日スポーツがあるではないか。というわけで、今年も中日スポーツ一面を飾った人物、事柄を集計。そのベスト5をここに大発表しよう。
昨年の中日スポーツ大賞はこちら。
8年ぶりのAクラスを果たした今季、新聞一面を最もたくさん飾ったヒーローは誰だ⁉︎
それじゃさっそく5位からカウントダウーン‼︎
5位 高橋周平 16回

竜を担う若大将が2年連続のトップ5入りだ
まだ20代。来年あたり大覚醒して一躍スーパースターになるんじゃないかと踏んでるぞ
4位 根尾昂 29回

スター根尾は今年も磐石のトップ5入り!
特別扱いも今年まで。そろそろ結果を求められる立場になるだろうね
3位 石川昂弥 30回

黄金ルーキーが貫禄のトップ3入りだ
期間限定で出場した一軍の舞台でもしっかりアジャストしてみせたのは度肝を抜かれた。澤村から打った当たりは惜しかったなあ
2位 与田剛 34回

昨年1位の与田監督は今年も上位をキープ!
選手時代からの通算も173回となり、平成以降では井端さんを抜いて9位にジャンプアップ。名実ともにドラゴンズの歴史を語るうえで欠かせない人物になったぞ
1位 大野雄大 40回

今や泣く子も黙る大エースが、この賞でも栄えあるナンバーワンに輝いたぞ
あらためて、2020年は大野雄大の年だったね
投手は週に一度の登板というハンデがある分、打者よりも一面難易度が高い傾向にあるんだ
そのハンデも乗り越え、なんと今季1勝目をあげてからは投げるたびに14登板連続で一面に登場。シーズン後半は「中日スポーツ」あらため「大野スポーツ」と化していたよ
総評
8年ぶりのAクラスでヒーローがたくさん生まれたシーズンだったが、トップ5の顔ぶれが昨年とまったく同じというのは意外な結果だった。ルーキー補正のかかる石川昂弥はともかく、2年目の根尾昂が4位にランクインしたのには驚かされた。
語弊のある言い方で恐縮だが、まだ何もチームに貢献していない選手がドラフト以降の2年半で通算110回も一面を飾った例は、70年近い中日スポーツの歴史を紐解いても初めての事だ。大きな期待の表れでもあるが、そろそろ目に見える形で数字を残したいところ。春のキャンプでは立浪臨時コーチが熱心に指導を行う意向を示しており、3年目の来季は真価が問われるシーズンになるかも知れない。
今回の集計で悩んだのはコロナ関連ニュースの取扱いだ。甲子園中止や志村けんさんの訃報といったコロナ絡みの話題を「コロナ関連」とひとまとめにすれば、29回でたちまち4位に食い込んでしまうのだが、あくまで「一面を飾った人物の順位付け」をコンセプトとしているため、“事象”であるコロナ関連は集計から外させてもらった。
最後に、おかげさまでこのブログも2シーズン連続で全試合レポートを完走することができた。ただ、途中で何度かへこたれそうになったのも事実だ。勝ち試合は気分良く書けるのでいいが、問題は負け試合だ。負け試合を振り返って文章に落とし込む作業はメンタル的にもかなりキツく(会社で受けたパワハラを帰宅後に振り返り、その感想文を書くような感覚)、7月の負け続きの時期や、終盤の6連敗のときは苦行にさえ感じたものだ。
それでも何とか続けられたのは、「おもしろかった」「泣けた」といった皆様の反応が支えになったからに他ならない。来季も143試合フルシーズン完走を目指すつもりだが、あまりにドラゴンズが不甲斐ない戦いを続けた際などには予告なく更新をストップする場合もあるので、悪しからずご了承頂きたい。
そんなわけで今年1年間お付き合いいただき、ありがとうございました
来年も当ブログでは山﨑武司氏を緩く、温く応援していきます