ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

猪突猛進〜京田陽太という男〜

◯5-2(60勝65敗2分)

 

巨人に続いてベイスターズにも3タテを食らわせ、たちまちセ・リーグの“荒らし”と化した与田ドラゴンズ。来週には平田良介の復帰という追い風も吹くなかで、悲願のAクラスまで4.0差とにわかに現実味を帯びてきた。

残り16試合は一戦必勝で臨むのみ。秋を前にして俄然おもしろくなってきた。

 

去年も同じようなこと言ってた記憶があるのだが。気のせいか?

 

気のせいなものかよ。中スポの呪いさえなければAクラス入り出来てただろうに

 

ドラカルト

中スポの呪いとは。昨年9月、ドラゴンズは猛烈なスパートをかけ、9試合残して3位まで1.0差というところまで迫った。

浮き足立った大本営は一面でデカデカと『残り9戦全勝ローテ』と煽ったが、いきなり初戦を落とすとそこから5連敗を喫し、Aクラスの夢は無残に砕け散ったのである。全勝どころか全敗に近い結果(2勝7敗)に終わったため、自軍ファンからはフラグを立てた中スポへの恨み節があがり、他軍ファンからもからかいの材料にされるなど散々な目に遭ったのだ。

 

京田の早打ち問題

 

実は今日の試合、初回の攻撃を終えた時点で負けたときの見出しは頭に浮かんでいた。“京田陽太の早打ちがチームの流れを切った”。

プロ初先発の齋藤俊介に対し、先頭の大島洋平が7球粘って内野安打を放ったとき、昨日に続く初回の猛攻を予感した方も多かったはずだ。ところが2番京田は2球目に手を出し、レフトフライであっさり凡退。ランナーを進めることもできず、大島の粘りも無に帰すような淡白な早打ちがチームの流れ自体を堰き止めたかのように、ここから打線は齋藤の前に思わぬ苦戦を強いられることになる。

京田の早打ちが問題視されるのは今に始まったことではない。なんなら昨年の時点で四球の少なさに伴う出塁率の低さはかなり取り沙汰されていたし、球界トップクラスのショート守備を誇りながらも一定のアンチを抱えるのは、あまりにもフリースインガーっぷりが目に余るからに他ならない。

まさに今日の第一打席は、京田のそうした悪い面が凝縮されたような内容だった。

 

常人離れした強メンタル

 

いくら絶好調の大野雄大とは言え、長打力のある横浜打線相手にゼロで踏ん張り続けるのは容易ではない。

京田が何らかの形で繋いでいれば違った展開になっていたかもしれないのにーー。そんな愚痴を漏らしていた矢先の4回裏。先頭で回ってきた京田の目の覚めるような鋭い当たりは右中間を真っ二つに割り、京田は俊足を生かして一気に三塁を陥れた。打ったのは初球。今度は一転して京田の早打ちがチームにチャンスをもたらした

このヒットを見て、私は京田という選手の常人離れしたメンタルの強さを感じた。普通なら周りから悪い癖を指摘されれば不本意であっても矯正しようと心がけるものだが、京田はぶれない。それはシーズン前から一貫していた。

 

「打撃に関しては、ヒットを180本打てるように。そこを目指していけば、打率も出塁率も自然と上がる。四球を増やせと言われても。タイプじゃない。変えるつもりはないです。何を言われようが」

2019年2月6日付 日刊スポーツ

https://www.google.co.jp/amp/s/www.nikkansports.com/m/baseball/news/amp/201902060000656.html

 

その言葉どおり、今年も京田は早いカウントから躊躇なくバットを振り続け、ある程度の成績を残している。出塁率3割1分1厘は、達人の域に達した守備力を鑑みれば十分合格を与えられる数字だ。

 

話を試合に戻そう。京田は、続く福田永将の浅いファウルフライでタッチアップを試み、完全にアウトのタイミングをヘッドスライディングでかい潜って貴重な先制のホームを踏んだ……ではなく“触った”。

何しろ捕球したのは一塁手なのだ。相当な覚悟がないとスタートは切れないところだが、京田は迷わず突っ込んだ。もしほんの一瞬でも遅れていたら無死三塁がたちまち二死走者なしになっていたのだから、京田の積極性には恐れ入る。

確かに、その積極性が裏目にでることもある。見方によってはこの場面も、打順を考えれば無理する必要はなかったのかもしれない。だが、京田は無理をする。なぜならそれが京田という選手なのだから。京田が「行ける」と思えば、そこに迷いが生じる余地はない。

猪突猛進を体現するこの男に、我々はこれからも振り回されることになるのだろう。