ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

怪談・メリーさん

◯4-3(44勝53敗)

 

「わたし、メリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの…」

 

「わたし、メリーさん。今、たばこ屋さんの前にいるの…」

 

「わたし、メリーさん。今、あなたの家の前にいるの…」

 

「わたし、メリーさん。今、あなたの……」

 

まるでメリーさんの怪談のように一歩ずつ忍び寄る燕の影は遂に5回裏、最大3点のビハインドを追いつき先発・柳の息の根を止めた。

神宮の夜、どれだけ離しても追いつかれる展開、そしてエースの降板という三大“恐怖要素”が重なれば、ここから勝利をもぎ取るなんて限りなく不可能に近いことはドラゴンズのファンなら誰もが分かりきっている。何しろこの球場は10点リードしても安心できない特殊な空間なのだ。いわんや1点を争う展開など端から無理ゲーに近い。

「どうせ逆転されるんだろう?」そんなシラけた予想を、しかし今夜のリリーフ陣はいい意味で裏切ってくれた。

 

先陣・藤嶋の快投

 

結果的には6回からの4イニングを4投手の継投でわずか1安打、四死球ゼロというほぼ完璧な内容で凌ぎ切ったわけだが、なんといっても先陣を切った藤嶋の度胸には感服した。5回の同点劇のあと花火が打ち上がり球場のムードは完全に夏祭りモード。独特の高揚感に包まれる中、仮にヤクルトがチャンスを作ればたちまちトラウマチャンステーマ「夏祭り」が響き渡ることになる。

特にこの回はランナーをひとり出せば山田哲にまわるため、藤嶋としても三者凡退への執念は強かったと思う。だが燕打線もそう簡単には引き下がってはくれない。一死から太田、さらに二死から青木が得意の粘り打ちで藤嶋を追い詰める。両者とも6球でフルカウントとなり、そこから2球粘っての9球目で三振。少しでも手元が狂えば四球となるカウントから絶妙なコースに投げ続けた藤嶋はやはり只者ではない。

プレッシャーに弱い投手なら四球を出すか、あるいは置きにいって痛打されるのが関の山だろうが、藤嶋は非常にクレバーな投手だ。球場の雰囲気、試合の展開をブルペンでの投球時から感じ取り、この場面でランナーを出すことがどれだけ危険かをしっかり理解した上で咀嚼できていたのだろう。

 

これで復帰から9登板連続無失点。当初の見込みよりもやや性急な昇格には否定的な声もあったが、実力で信頼を勝ち得、今後はAパターンでの起用が想定される。突然の血行障害発症によりキャンプ全休を余儀なくされた男がこの時期にブルペンを支えているなんていったい誰が想像できただろうか。

 

わたし、タジーさん。今、神宮球場に向かってるの

 

来んな