ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

31歳の履歴書

●2-3(43勝53敗)

 

高校卒業して13年目、31歳にもなれば社会人生活においてある程度のことは“出来るのが前提”というフェーズに差しかかるものだ。

例えば31歳にもなって名刺の受け渡しマナーを知りませんだとか電話対応もまともに出来ませんというのは通用しないし、なんならビジネスの場で一人称を「オレ」とか言った日にゃ「あ、こいつはダメだ」と瞬時に判断されて眼中から消されるという、厳しいようだが31歳というのはそうやって問答無用の評価に晒される年齢であり、いつまでも20代の頃のように「ドンマイ!」などと看過してもらえると思ったら痛い目を見ることになる。

ひと昔前なら女子アナも30過ぎたらちやほやされなれなくなったと言うし、転職市場でも30過ぎると一気に需要が減るという紛れもない現実がある。実際に30代の履歴書は「今までどういう実績を残し、その経験を御社でどう活かせるか」という一点のみに集約されているべきであり、潤滑油だの協調性だのと学生じみたことを書いた瞬間に非採用。ハッタリで誤魔化せる年齢はとうに過ぎ、よりリアルで実践的な能力が求められるのが30代という年代なのである。

 

2度のチャンスをふいにした二人

 

さて今日の試合を振り返ったとき、ドラゴンズが主導権を握れるチャンスは2度あったと思う。

ひとつ目は初回、二死満塁での堂上の打席である。先頭の平田に四球を与えた藤浪は、いきなり青息吐息になりながらなんとか二死までこぎつけるも、ビシエドと阿部に連続四球(それも、どちらもフルカウントから)を許して満塁としてしまう。制球に苦しんでいる藤浪を一気に叩き潰すために打率2割の堂上が最も狙うべきは押し出し四球を選ぶこと

ただでさえ極度の制球難にもがき苦しみ昨日まで二軍生活を余儀なくされていた藤浪が、復帰登板の初回にいきなり押し出しで先制を許せばそのショックは計り知れず。ドラゴンズにとってここでの押し出しは単なる1点に留まらず、この試合そのものの行方を決定づける大きな意味を持つはずだった……のだが、堂上はあろうことかこの場面でヒーローにでもなろうとしてしまったのだろうか。初球のストライク以外、高めに低めに散らばるボール球をまるで餌を欲しがる犬のように追いかけ続け、結局6球目の外角低めスライダーに釣られて空振り三振を喫してしまった。このときの甲子園の異様な盛り上がりは、完全に流れを持っていかれたことを端的に表していた。

 

ふたつ目は7回表。1点ビハインドの一死からビシエド、阿部の連続ツーベースで二、三塁とすると打席には堂上の代打・福田。最低でも犠牲フライが欲しい、という場面でパワーのある選手を起用するのは間違っていない。ただ、福田は極度の緊張しいだ。この手の場面で期待どおり犠飛を打った姿などほとんど見たことがないわけだが、この日も多分に漏れず2球目の甘い変化球を見逃し、3球目のインハイに手を出してショートゴロに倒れるという様式美でもって決定機を逃した。

 

暗黒戦士の悲哀

 

堂上と福田。共に2006年の高校生ドラフトで入団した同期だ。ただ、後年振り返ったときこの二人は残念ながら「暗黒期の象徴」という位置付けで登場することになるだろう。このままでは。

チャンスになればなるほど気負ってしまうのは元々の性格もあるのだろうが、31歳にもなって「メンタルに課題」なんて可愛らしい寸評が許されるはずもなく、まさに今日の打席内容は「見よ!これが殻を破りきれなかった暗黒戦士の振りざまだ!」と言わんばかりの本当に残念極まりないものであったと同時に、だけどまあ堂上と福田ってこの程度だよねと納得せざるを得ないのがまた悲しくて。

高卒13年目、31歳コンビの“いつも通りの凡退”によって借金はまたしても二桁に膨らんでしまった。

 

31歳の営業マンが「いやあ、自分飛び込み営業は緊張しちゃってダメなんすわ」とか言ってたら普通は見限られるわな