ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

与田の言葉①

言葉は世につれ 世は言葉につれ。2019年のペナントレースが開幕し、最初の10日間が経った。ドラゴンズは4勝5敗、借金1とは言え、いきなり5連敗から始まった過去2年に比べればベストとは言わずともベターなスタートが切れたのではないかと思う。

今年は与田監督の就任初年度。現役引退から長らくテレビの仕事をしていた事もあってか、その言葉はひとつひとつが丁寧に、よく考えられて発せられていることが分かる。感情任せに不用意な発言をするようなことは与田監督に限っては心配なさそうだ。

 

「チームを奈落の底に落とす選手がいる」とか?

 

「金輪際、俺の前にツラを見せるな!」とかな

 

そこで与田監督の試合後コメントを「与田の言葉」と銘打ち、移動日ごとに1週間分をまとめて振り返っていこうと思う。采配の意図を探る資料としてはもちろん、一般社会でも通用する金言・至言が多い与田監督の言葉の数々は生活のヒントにもなるかもしれない。

今週は開幕戦(3月29日)から昨日のヤクルト戦までの「与田の言葉」を紹介しよう。

 

3月29日

●1-8(DeNA)

「最後までずっと緊張しっぱなしだった。選手の起用、タイミングをどこでどう取るか、緊張しながら戦った。今永?良いピッチャーなので簡単に点は取れない。流れを掴むことができなかった」

ー開幕投手の笠原について

「5回88球。開幕の緊張感の中で良い経験はできたと思う。あと1イニング行ってほしかったんだが、フォームのバランスが崩れかかっていたというのもあるし、先頭バッターでチャンスを掴みたいというところもあった」

ー終盤にリリーフが崩れて大量失点

「打たれて点を取られると言われてしまうんだが、中継ぎはオープン戦ではあまりなかった3ボールピッチングが今日多く、それが後手後手に回った要因かな」

ー143試合の初戦を終えて

「コーチやみんなと戦い、勝つことはできなかったが、色々なことが分かった試合だった。これからも毎日、試合はある。特に大敗したあとは切り替えていかないといけない。明日の選手の動きを見たい」

 

3月30日

◯9-1(DeNA)

ー今季初勝利は記念すべき監督初勝利

「すべての得点に意味があった。みんな頑張ってくれた。四球を選ぶのもそうだし、守備の面もそうだし、いい形で勝てた。もう汗だくだった。手なんか本当に。すごい緊張した。いくらリードがあってもゲームセットまで分からないのでね」

ーベテラン山井が好投

「山井はストレートが良かった。大野奨の配球も、変化球主体でリードせず、ストレート中心で攻めの姿勢が見えた。打線もよくつないでくれた」

ー監督初勝利の記念ボールについて

「山井の今季初勝利の大事なボールを奪ってしまったね(笑)。誰にもあげない。僕が死んだ時に棺おけに入れてもらいますよ。本当にありがたいボール。これをたくさんもらえるように。また明日頑張ります」

 

3月31日

●2-3(DeNA)

ー再三のチャンスを潰し、サヨナラ負け

「チャンスで先に勝ち越したかった。向こうは最後(9回無死一塁から)嶺井が必死になって(犠打を)決めてきた。もちろんウチもそういう気持ちで臨んでいるが、結果的にできていない。まだまだこれから練習していくしかない

ー3連戦を振り返って

悪いところを探しても仕方がない。1つ勝てたことを喜ばないと。今後の課題が見えたので、この負けが無駄にならないようにやっていきたい。

(火曜からは)本拠地開幕なので切り替えてやっていく」

 

4月2日

◯7-4(広島)

ー白熱したシーソーゲームを勝利

「疲れましたね。ほんとに。ほんとによく終盤ひっくり返して、見事な守備もありましたし、野手の手助けが大きかったと思います。(このややザラついた声は)興奮してたんじゃないですか(笑)」

ー8回の攻防について

「ツーアウト取ったところ、鈴木誠也との対峙で(祖父江が)いい形で抑えてくれた。(裏の代打攻勢での勝ち越しは)各担当コーチとしっかり相談しながら、準備してきた選手をできる限り使うというのが今年のテーマ。そんな中でよく粘ったり見事なヒットを打ったり、そういう形の勝ち方ができた」

ー3度のビハインドを跳ね返しての勝利

「選手の頑張りでいい形で終えることができたが、まだ4試合終えたばかり。色んな選手が色んな想いで戦っているから、(選手個々を)しっかり見ていきたい

ーホーム開幕について

「今日も朝起きてからずっと(意識していた)。ファンの方も沢山お越しになるだろうし、いい形でスタートを切りたかったので本当に勝ててよかった」

ーカード勝ち越しのかかる明日は吉見が先発

「毎試合勝ちを意識して臨むが、しっかり準備を選手達がやってる分、私達もしていく」

 

4月3日

ー試合前、センバツ大会での東邦高校優勝について

「ああ良かったね、東邦高校。名古屋にいい物を持って帰ってきてくれると思う。明るいニュースだね」

ー昨日の試合を振り返って

「昨日は1点を争うゲームで、最後までみんなの集中力が切れなかったのが良かった。その日によって色んな試合展開があるし、うちが先制することがあれば、何点差かを追いかけることもある。でも最後までゲームにしがみついていくことが大事ですね」

ー昨日の監督インタビューでは声が枯れていた

「今日は治ってますが、ただやっぱり知らず知らず力が入っていたのかな」

ー今季初対戦を終えたカープについて

「さすがは3連覇をしているチーム。修正能力は高いと思うし、昨日は昨日で、今日はしっかり戦いたい」

 

●2-3(広島)

ー最後の場面(1死三塁で遊直ゲッツー)について

「ミスが出てしまうと、チャンスが一気にしぼんでしまう。(ゴロゴーなのか、ギャンブルスタートなのか?)こちらから伝える必要はありません。

最後、粘りの攻撃はあったと思う。1回に先制点を取って、何とか追加点を取れれば良かった。1対0で何とか守っている吉見に勝利を付けてあげたかった」

ー絶不調のアルモンテについて

「少し迷いがある感じ。状態はいいとは思っていないから少し考えなければいけない。チームに貢献した打者であることは間違いありません。だから力になってもらわないといけない。(明日の登録抹消は?)現状では決めてない」

ー吉見から谷元へのスイッチについて

「連打されたのもあったし、あそこは食い止めなければいけなかったので谷元を投入した。(厳しい場面が続くリリーフ陣は)今後の試合の中でいい物を出してくれればいい。一度打たれたから使わないことは絶対にしませんから

ー3度目の貯金チャレンジも失敗

「それは分かっています。1つでも多く勝ちたい思いは変わらない。貯金どうこうではなくて、1つでも多く勝利したい」

 

4月4日

ー試合前、昨日の自身のコメントについて

「(開口一番)俺は昨日、亀澤の走塁ミスって言ったか?あれは確かに目立ったところだけど、あれだけがミスだとは言ってないよなぁ。9回は攻め守り両方で細かいミスがあったんだよ」

ー具体的には

「作戦面のことなんでね。ただ、9回イケイケの雰囲気を作ったんだけどな。悔しいよね

収穫はやっぱり田島や小熊が良くなってきたよ。リリーバーというのは、抑えた時よりも打たれた時の方が目立ってしまう。使う以上はもうこっちの責任なんだから、1回2回うたれたぐらいでチョロチョロとポジションを替えるようなことはしたくない。自分も現役時代にそれをやられるのが一番嫌だった。最終的には見極めた上で使う以上、僕が責任を取ります

ー酷使気味のリリーフ起用について

「3日続けて(3連投)というのは、できるだけさせたくないんだ。その辺りのコンディショニングはしっかりやっていきたい。

自分が入団した新人の頃は星野監督にも一応『どうなんだ?』と聞かれたが、いけませんとは言えないよね。しかも聞き方が『どうなんだ?』ではなく、『どうなんやー!』と聞いてくるので、はいかYESしか答えがない」

ー今日先発のロメロについて

クイックを含めて『足のことを全く気にしなくていいから頑張れ』と送り出すつもりはないよ。足のことは気にしなきゃダメ。気にしなくていいことと、そうじゃないことがあるが、足のことは気にしないとダメです。ランナー出て、右ピッチャー左ピッチャーで見える部分、見えない部分はあるんだけれど、球の力はあるんでね。

ただ、日本の野球が求める細かい物、我々は正直細かいと思ってないけれど、外国人は日本の野球を見ると直ぐに『隙を突いてチョコチョコ走ってくる』とか『細かいことやってくるんだな』と言ってくるんだけれど、いや、それが野球だからなというふうに思っています」

ー開幕5試合を終え、いまだに佐藤を使っていない

「佐藤は別に敢えて使ってないんじゃなくて、早く使いたいんだよ。偶然そういう状況にならないんでね」

ー抹消は見送ったアルモンテについて

「去年の状態を波留と奈良原がしっかり見ているから、その波留、奈良原としっかり話をして確認をしながら判断をしないといけないね。ただ、ここは1軍の試合なんで、判断することは大事。色々考えてやっていきます」

ー今年のゴールデンウィークは12連戦

(12連戦?)恐らく僕は経験ないな。延長15回の時もあったので、そんな日程は当時は組めなかったと思うよ。野手が一番きついんじゃないかな?ピッチャーというのは5球でもしんどい時はあるので、球数によって一概にしんどい、しんどくないというのは言えないんだけど、選手に「どうだ?今日も行けるか?」と聞くと選手は必ず「行けます。大丈夫です」と言うので、そのあたりをしっかり見ながら12連戦は戦っていきたいね」

 

◯3-2(広島)

ー最終回、無死二、三塁を鈴木博が抑えた

「ほっとしました。汗びっしょりです。抑えは鈴木博志で今シーズン臨んだので、任せようという気持ちは持ってましたけど、ドキドキしてました。

福田の特大ホームラン?相手の岡田投手が素晴らしいボールを投げている中での先制弾。チーム、ベンチが元気になる、素晴らしい飛距離のホームランでした」

ー貴重な中押しホームランの京田について

「最近、当てに行くようなスイングがあったので普段から本人と話していた。素晴らしいホームランでした」

ー来日初先発で好投したロメロについて

「投手コーチ、捕手とコミュニケーションを取りながら真面目に取り組んでいる。それが公式戦でいい形になったのは自信になる。相手も研究してくる中で1年間怪我なくやらせたい。序盤少しストレートが抜けている所があったが、3回からコーナーにしっかり投げ分けられるようになった。

普段は冷静でもどうしてもランナーを置いてしまうと見えなくなる部分もあるので、ベンチも一体で彼を支えていった

ー開幕から6試合を終えて

「色んなことが負けの中から見つかる。勝ちの中からもたくさん収穫もありますし、どちらにしても色んな事をやっていかないといけない。自分自身にも当然課題は沢山あるので選手と共に戦っていきたい

 

4月5日

●7-8(ヤクルト)

ー先発笠原が3回KO、初マスクの木下も途中交代

「これだけ四球を与えてしまうと失点に繋がるよね。主導権を握ることができなかった。笠原?立ち直る気配がないので代えました。

投手陣はみんながみんな、いい時ばかりじゃないけどね。野手は頑張ってくれた。今日はバッテリーに尽きる。配球や投手の能力、そこをしっかりやっていかないと。バッテリーがしっかりしないといけない試合」

 

4月6日

●3-4(ヤクルト)

ー野手総動員の試合になったが

「今日は早め早めに勝負を掛けていきました。チャンスでのあと1本ですね。あと1本出ていればまた違った展開になった。(9回2死から同点打の)井領、(代打でホームランの)アルモンテはよく打ってくれた」

ー最後の最後に青木がサヨナラ弾

「それはもう、しょうがない。あと1本が出ず、つらい展開になった。(よく追いついたのか勝ちきれなかったのか?)そのあたりは皆さん(報道陣)と見方が同じ。とにかくもう切り替えてやるしかない

 

4月7日

◯3-1(ヤクルト)

ー柳が8回1失点の好投

「本当に素晴らしかった。このひと言に尽きる。前回の反省を生かして、しっかりと強い真っすぐを投げていた。それがうまくできた」

ー久々先発起用のアルモンテ、堂上がホームラン

「アルモンテは昨日、今日とよく打ってくれた。ヤクルト打線は凄く強力なので、もう少しリードがほしいと思っていたところで堂上がよく打ってくれた」

ー神宮での連敗を止めた

「連敗を止めたというのは気持ちがいいし、神宮で勝てて本当に良かったです」

ー流動的なスタメン起用について

選手の状態は常に見ながら起用しているつもり。選手が頑張ってくれた」

 

まとめ

 

「切り替えて行く」という言葉と、とにかく選手の頑張りを讃える言葉の数々から、肩幅と同じくらい大きな包容力がうかがえる。

またコーチと協力しながら選手をよく観察し、適材適所の起用に努めていることがよく分かった。部下からすれば上司に気にかけられて嬉しくないわけがない。

開幕スタメン落ちした京田や、昨年未勝利に終わった大野雄とも密にコミュニケーションを取って信頼を築いていると聞く。選手のプライドを尊重するあまり実績ある選手ほど放ったらかしになりがちだが、与田はいい意味でフラットに接し、不要な誤解を招かないためにも起用の意図をきちんと選手に説明する。京田がふて腐れずに奮起したのもこういう配慮あってこそなのだろう。

とは言えまだ9試合。長く険しいペナントレースは始まったばかりだ。今後、大型連敗などで負けが込んだ時にどこまで感情的にならず、今のスタンスを保てるかに注目したい。