ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

田島に何が起きたのか

田島慎二がおかしい。もちろんダメなのではなく、良すぎておかしいのだが。

ここまで7試合に投げて1本の安打も許しておらず、今日も1イニングを完璧に抑え、連続無安打は8試合に伸びた。わずか12球で難なく三者凡退に仕留める姿は風格すら漂っており、一度は完全に手放したセットアッパーの座を実力で取り返した格好だ。

キャンプまでは間違いなく去年のダメな田島だった。3月12日の韓国チームとの練習試合では他の投手が無失点に抑える中で田島だけがスリーランを浴びるなど炎上。続くロッテ戦でも派手に打ち込まれ、誰もが今年は2軍スタートだと確信したし、投球内容的にも復活の兆しなんかこれっぽっちも見えなかった。

ダメな時の田島は走らない真っすぐをごまかすようにスプリットを多投する。あまりに投げるものだから打者も目が慣れて釣られなくなり、かなり手前で大きく曲がるスプリットは叩きつけて暴投になるリスクも高い。

かと言って全盛期に比べて5キロほど遅くなった真っ直ぐも信用できず、結局スプリットに頼って四球を連発し、ストライク欲しさに投げた甘い真っ直ぐを痛打されるという地獄。28 2/3回で20与四死球、WHIP1.67という数字が昨年の田島を物語っている。

ところがこのオープン戦、早くも昨季のMAXに並ぶ147キロの真っ直ぐを軸にここまで無安打無四球。分母が少ないとは言え奪三振率も8.11を誇る。まるで入団当初の一番よかった頃に回帰したかのような鮮やかな投げっぷりである。

 

見た目は全然変わってないぞ

 

だから謎なんだ。一体田島に何が起きたのか

 

個人トレーナーとの契約が田島を変えた!

 

去年の田島と今年の田島。分かりやすい変化としては、昨年11月からVivicious Works Japan代表取締役の鑄山(いかけやま)和裕氏と個人トレーナー契約を結んだことが挙げられる。

2011年から引退までの4年間、小林正人のトレーナーも務めた鑄山氏。アスリートの身体を科学的な側面から知り尽くしたプロフェッショナルが付いたことにより、合理的な投球フォームの再現性が高くなった可能性は考えられる。

田島は体型の変化ばかりが取り沙汰されるが、映像を見比べれば一目瞭然、好調だった2016年に比べて昨季は腕が高く、リリースポイントが早いことが見て取れる。もちろんこの程度の事はトレーナーも見抜いているだろうし、オープン戦の映像を見ても以前ほどではないにせよさっそく改善したのが分かる。好調の要因はこの辺りにあるのだろう。

プロ野球選手の個人トレーナーはあまり脚光が当たることのない隠れた存在だが、ある程度のキャリアを経た選手は大半が契約しているほど不可欠な存在となっている。山本昌がワールドウイング代表の小山裕史氏を信奉し、大幅なキャリア延命に成功したのは有名な話だ。

元々高いポテンシャルを持つ田島は、もちろんチームにとってこのまま終わってもらっては困る存在。鑄山氏との出会いが再起のきっかけになる事を願いたい。