ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

Bパターン継投に震えた!

西野カナがマネージャーと結婚したらしい。ドラゴンズの支配圏にある三重県松坂市出身、かつては伊藤準規と付き合ってるなんて噂もあったが、伊藤が燻(くすぶ)ってる間に西野カナは紅白歌合戦に9回も出場し、20代の終わりと共に昨年、活動休止を表明した。

若いうちに稼げるだけ稼いでパッとリタイアするという誰もが羨む理想の生き方。歌うだけでなく歌詞も本人が書いているので印税だけで一生遊んで暮らしていけるのだろう。

彼氏に会いたいと思うだけで震えるなんてナイーブな歌は若いからこそ許されるものだ。30代になってそんなこと言ってても白い目で見られることくらい西野カナには分かっていた。引き際を見誤り、昔のヒット曲を歌う姿が痛々しくもある女性歌手が少なくない中で、実にみごとな人生設計である。

 

Bパターン継投に震えた!

 

会いたくても別に震えないが、今日のみごとな投手継投には心底震えた。というかシビれた。

大野雄大の完全復活を思わせる堂々たるピッチングは、オープン戦といえども完投が見たくなるほど惚れ惚れするものだった。もしかすると与田監督の脳裏にも一瞬そんな考えが浮かんだのではないかと推測するほど少ない球数で気持ちよく三振を奪う大野の姿は圧巻の一言だった。

しかし7回、メネセス、吉田正、頓宮というクリーンアップをわずか11球で簡単に料理したところでお役御免。この時点で1点リードという展開から考えてもてっきり8回は田島かロドリゲス、9回鈴木博で必勝継投を固めてくるだろうと思っていただけに、オープン戦初登板となる阿知羅が登場したのには驚いた。

与田監督は根尾の一軍昇格を見送った理由としても「様子見の時期じゃない。開幕への準備をする6試合」と話したように、今日からの6連戦は主力の最終調整の場という意味合いが強い。

その初戦、いきなり訪れた公式戦さながらのピリピリした展開にまさかの阿知羅を送り、2死を取ると今度は当落線上にいる谷元を投入、3点差付いた9回のマウンドに立ったのはやはりオープン戦初登板となるライデル・マルティネスだった。

「開幕への準備」には程遠い極めて実験的な継投の意図はどこにあるのか。これはおそらくBパターン継投の試行だろう。

 

Bパターン継投とはなんぞや?

 

投手運営の確かな手腕を感じた

 

昨年38回を数えた逆転負けの要因が自転車操業的な投手運用、すなわち役割分担も何もない行き当たりばったりのプルペンワークにあったことは当ブログでも何度か指摘した通りだ。

1年間143試合のシーズンを登録人数おおよそ12枠の投手でやりくりするには事前に綿密な「トリセツ」ならぬ設計図を作っておく必要がある。何通りもの可能性を想定した複数のプランを立て、それでも故障やスランプなど不測の事態が起きるたびに設計図を修正・アップデートしていく。地道でアタマを使う準備を監督や投手コーチは日々こなして試合に臨むのだが、おそらくここ数年のドラゴンズはその準備が少し足りていなかったのだろう。

昨年、ルーキーの鈴木博が勝ち試合だろうが負け試合だろうが投げまくり、挙句は急造クローザーに抜擢されてお盆の時期には50試合登板に達し、遂に疲労がたまり打ち込まれるや2軍降格したのを見て「ああ、この首脳陣は三歩先の事さえ考えてないんだな」と呆れたものだ。

 

対して今年の首脳陣はプルペンワークの面で信頼が置けそうだ。一見不可解にも思える今日の継投も、実はシーズンを見越した入念な準備であることは察しのいい方ならお気付きだろう。仮に田島、ロドリゲス、鈴木博と繋ぐ必勝パターンが「Aパターン」だとすれば、今日の継投はAパターンの投手が連投中だったり、不調だったりした時のための代替プラン、いわば「Bパターン」だ。143試合、設計図どおりに都合よく物事が運べばいいが、必ずトラブルは起きる。そうなっても慌てず、常に代替案を思い描いておくことでリスクは抑えられるのだ。

阿知羅はオープン戦とは言え1軍の舞台で僅差の勝ち継投を任せられるのは初めての貴重な経験だろうし、谷元にしてもAパターンでの起用は難しくてもBパターンならまだまだ必要戦力になり得ることが分かった。ライデルに関しては156キロ連発の完璧な投球を披露したことでロドリゲスの代役が十二分に務まりそうだ。

このように一つの絶対的な型にこだわるのではなく、幾つかのパターンを用意しておくことで長いシーズンにおいて不測の事態に対しても柔軟な対応ができるようになり、ひいては選手層の底上げにも繋がるのだ。一見、実験的にも思える継投も、こうして意図を探れば与田監督が言う「開幕への準備」に他ならないことが見えてくる。実に深い継投だった。