ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

ウォークマン襲名

 

26日、那覇で行われた巨人との練習試合は手心を加えた中日の慈悲により7x-6で巨人がサヨナラ勝ちを収めた。

ゲレーロの3ランもナゴヤドームなら定位置の外野フライ。そもそもスタメンからして大人げなくベストメンバーの巨人に対して若手主体のお試しオーダーの中日がここまで善戦したのだから充分ポジっても構わない内容だろう。

 

この試合、なんといっても目を引いたのが渡辺勝である。支配下登録されたばかりでありながら北谷メンバーに抜擢された渡辺は、練習試合やオープン戦で結果を残して見事にキャンプを降格せずに完走してみせた。

最初は特徴的な一本足打法くらいしか印象になく、井領や友永と共に工藤隆人の後釜を争う立場だったのが、今では代打の一番手・藤井淳志の座を奪えるのではないかというところまでファンの期待値は高まっている。

 

この1ヶ月で一番名前を売ったのは渡辺勝だろう

 

いつまでも藤井が代打一番手じゃ寂しいもんな

 ※中日の代打起用回数は2016年から3年連続で藤井が1位である

 

驚異の選球眼でウォークマン襲名か

 

渡辺の最大の持ち味は長打力でも足の速さでもなく、その卓越した選球眼にある。

昨年ウエスタンリーグでは打率.244に対して出塁率.338を、一昨年は打率.226に対して出塁率.366を記録した生粋の“歩き屋”。今日の巨人戦でも6回、高橋の投じた真ん中やや低めの決め球をピクリとも反応せずに見送ると、続く外角へのスライダーもやはり釣られることなく見極めて四球を選んだ。見送り方を見る限り、手が出なかったわけではなく渡辺には見えていたとしか思えず、追い込まれるとむやみやたらにボールを追いかけて空振りをする若手打者が多い中でこの選球眼は大きな武器になるぞと強く感じた。

 

選球眼が武器の打者といえば思い出すのは高橋光信だ。1998年に国際武道大学から入団した際は「バッティングだけなら同期の高橋由伸以上」との触れ込みで山﨑武司を脅かす存在になるかと思われたが、鳴かず飛ばずで迎えた入団7年目に落合監督が見出した高橋の特異な能力は打力ではなく選球眼だった。

シーズン中盤から“四球で出塁して上位打線に繋ぐための代打”という新概念を定着させた高橋は、優勝争いも佳境の9月7日の巨人戦でその能力を最大限に発揮してチームに勝利をもたらすことになる。同点の8回二死満塁、マウンドには右の中村隼人。打席には左の井上一樹。なんとここで落合監督は右の高橋光信を代打に送ったのだ。右投手に対して左打者を下げ、この時点で打率.200の右打者を代打で起用するというセオリー無視の采配は、しかし落合の思惑通り功を奏し、高橋は渾身の押し出し四球を選んで勝ち越しに成功したのである。

 

未だに語り継がれるこの名采配をきっかけに、誰がつけたか高橋光信はウォークマン」と呼ばれるようになり、シーズンの最終成績では打率.296に対して出塁率.457という驚異的な数値を叩き出したのである。

上述したとおり、藤井が3年連続で代打の一番手を担う程度にはドラゴンズは深刻な代打不足に陥っている。渡辺が現状3人固定された外野レギュラーに割って入るのは困難だとしても、選球眼を武器にしてある程度の成績を残せば自ずと貴重な左の代打という役割は与えられることになるはずだ。ウォークマン襲名へ、まずは開幕1軍登録を目指して日進月“歩”の成長を見せて欲しい。

 

ウォークマンである前に一本足打法の正当な後継者でもあるけど、あの構えで足が速くて選球眼がいいというのも面白い。先代とは真逆のタイプだね

 

フサフサの髪の毛とデカい目も先代とは真逆だ