ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

加藤よ、泥臭く強くなれ

 

先頭打者の神里を含め、ドラゴンズが昨年ベイスターズに許した盗塁は全球団でワーストの16個。そこから傷口を広げてソト、ロペス、筒香、宮崎が並ぶ強力打線にやられるというのがお決まりのパターンだった。

それもそのはず。出場数ツートップの松井雅人、大野奨太の阻止率がそれぞれ.170、.196では「走ってください」と言っているようなもの。フリーパス状態の肩でどれだけ痛い目に遭ったか。

だが今日は違う。栄えある2019年のオープン戦初戦の女房役に抜擢されたのは加藤匠馬。知名度が急上昇中の強肩捕手だが、「単に肩が強い」のと「盗塁を刺せる」のとでは別物という見方もある。

果たして加藤の肩は試合で使える肩なのかどうか。見せ場は初回、いきなりやってきた。

 

 

昨年15盗塁を決めた神里和毅を悠々刺すと、さらに4回にも昨年17盗塁で成功率8割5分を記録した桑原将志をやはり悠々アウトに仕留めたのだ。共に昨年セリーグ盗塁数10傑に入った快足選手なだけに、その肩が実戦でも充分通用することをはっきりと証明してみせた。

また課題の打撃でも二死1,2塁からセンターへタイムリーを放つ活躍。終盤に交代した大野奨太が盗塁を許してしまったことも相まって、この1試合で加藤は開幕マスクへと大きく前進したと言えそうだ。

 

これだよ!これぞファンが待ち望んでいた捕手の姿だよ!

 

正直みくびってた。なんでこんなのが2軍でくすぶってたんだよ

 

加藤の戦いはまだ始まったばかりだ

 

肩が本物なのは分かった。ただ、もし本当に開幕マスクを勝ち取り、「正捕手」という言葉がちらほら聞こえてきたとしたら、その時にこそ加藤は大きな試練と戦うことになるのだろう。

ナインの中で唯一全体を見渡しながら守備に就く捕手というポジションはまさに司令塔であり扇の要。“グラウンド内の監督”という言葉が示す通り全体をコントロールする統率力こそが必要とされる。

それだけではなく投手陣との信頼関係も求められる。就任早々「勝てる捕手を育てる」と宣言した中村武志も現役時代、郭源治や山本昌、今中慎二といったクセの強い面子から絶大なる信頼を得て14年間の長きに渡り正捕手の座を守った。

最初のうちは変化球をこぼすなどして嫌がられることもあるだろうが、そうなれば今度は青アザを身体中に作りながらワンバンを止める練習に励むしかない。また捕手の出したサインに対して投手が首を振ることもある。それでも頑としてサインを貫く。サインを通したバッテリー間の戦い。それがやがて信頼となる。名投手・山田久志は言う。

「自分の色を出して、こういう捕手だと分かってもらいなさい。投手がサインに首を振ることがあるが、時には絶対にこの球でいくんだという意思表示をしたらいい。バッテリーの考えが一方通行になってはいけない

https://www.nikkansports.com/m/sports/column/meigen/news/201902070000175_m.html

 

80年以上の球団の歴史の中で片手で数えるほどしか「正捕手」と呼べる選手がいないことからも分かるように、そう簡単に掴みとれる称号ではない。しかし今、加藤はそれに挑もうとしている。

まずは今日の試合でその資格があることを強烈に見せつけてくれた。