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平田のバット問題を考える

 

平田良介が今季から使用するメイプル素材のバットに苦心している。

今日読谷で行われたハンファとの練習試合で今年初めて実戦に出場し、結果は2タコ。だが平田にとってこの試合は単なる慣らし運転という以上の大きな意味を持っていた。

試合後、平田が真っ先に連絡したのは野球用具メーカーのSSK。「ヘッドがもう少し出てくるようなバットの作りにして欲しいし、自分の振りにしていかないといけない」との事で、すぐさま希望に沿うように調整したバットを発注したという。

 

バット一本でそんな変わるもんなのか?

 

素人はこれだから困る。プロ料理人がガスをIHに変えるようなもの。それも本人の意思ではなく、だ

 

そもそもアオダモ、メイプルってなんだ

 

かつて日本球界で使われていた木製バットの大半がアオダモだったが、昨年アオダモを使ったのは中村剛也(西武)、松山竜平(広島)、そして平田らわずか数人。ここまで激減したのはアオダモよりも良質なバットが発明されたからではなく、素材となるモクセイ科の落葉針葉樹が絶滅の危機に瀕しているからである。

とは言えアオダモ自体は日本中どこにでも自生していて、柔らかくて加工しやすい性質上、家具などにもよく使われているという。問題は“バットの素材になり得るアオダモ”で、反発力や耐久性といった野球に適した条件に適うアオダモとなると北海道の太平洋側でしか育たないのだそうだ。

そのうえ1本の木から作れるバットはわずか8本。さらに植樹からバットが取れる太さに成長するまで要する歳月は70年。こうした条件の厳しさから製造量は年々減少し、今や愛用者も手放さざるを得なくなっているのだ。

 

平田もその1人なんだね

 

言うまでもなくバットの質としては最高峰。
しなりや捉えた時の感触は代え難いものがあるそうだ

 

イチローも泣く泣くアオダモからアッシュに変更

 

アオダモを手放したのはもちろん平田が初めてではない。有名どころでは何と言ってもイチローだ。

日本時代はアオダモを愛用したイチローだったが、2001年の渡米を機にメジャーリーガーの大半が使い、アメリカの気候に合うと言われるホワイトアッシュに変更。このバットでいきなり242安打の新人最多安打、首位打者、MVPを獲得したのだが、そのオフ帰国した際に手にしたアオダモの感触があまりによく、2年目の夏場から再びアオダモに戻したという。

しかし2015年、「タモがない(イチロー談)」事からアオダモに別れを告げてホワイトアッシュを相棒にすることを決意。世界のイチローと言えども素材不足には抗えなかったわけだ。

 

イチローのバットがなくなる日―「アオダモ」を巡る渾身のルポルタージュ (主婦の友新書)

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メイプルに変えるメリットはない

 

今季から平田が使うのはホワイトアッシュではなくメイプル。いわゆる「もみじの木」だ。

平田のバット変更が報じられた際に山﨑武司氏が解説したところによると「メイプルはしならないから飛ばない。柳田のようにガツンと打つタイプは関係ないが、しなりで打つタイプは慣れるまで苦労する」という。

 

平田、もろに“しなり”で打って右中間を抜くタイプだから心配だ

 

また打ち損じると手がビリビリと痺れるのもメイプルの厄介な特徴のようだ。

仕方なく変えるくらいだから、残念ながらメイプルに変えるメリットは、調べた限りではない

だが平田もそんなことは百も承知だからこそ、この時期からメーカーと綿密な打ち合わせと試行錯誤を重ねながら己の感覚にフィットする極上のマイ・バットを追求している最中なのだ。