ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

選手名鑑を読む

 

一足早く発売された週間ベースボール版に続き、主要各社の選手名鑑が今日一斉に店頭に並んだ。

各球団の“顔”が並ぶ表紙も今年は根尾がほぼ独占。それだけドラゴンズに他のスターがいないと言われればそれまでだが、そこは根尾のスター性が図抜けているのだと好意的に解釈したい。

プロ野球カラー名鑑2019  【ポケット版/文庫サイズ】 (B.B.MOOK1431)

プロ野球カラー名鑑2019 【ポケット版/文庫サイズ】 (B.B.MOOK1431)

  • 作者: ベースボールマガジン編集部
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: ムック
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やっぱり選手名鑑は紙に限る

 

本格的にプロ野球にのめり込んだ1998年以来、毎年選手名鑑を購入してきたが、実は昨年その連続記録を止めてしまった。だからウチには2018年版の選手名鑑がない。今にして思えば非常にバカなことをしてしまったものだ。

なぜ買わなかったのか。一言でいえば必要性を感じなかったからだ。今やネットやスポナビアプリでいくらでも細かいデータは見られる。単純な分量と利便性だけなら本には到底載せきれないような事細かなデータに即座にアクセスできるネット版の方が強いに決まっている。実際、中継を見ながらスマホでTwitterやスポナビアプリを常にチェックしているのだから、わざわざスマホを置いて本をめくることなど無いと思っていた。これが間違いだった。

例えば選手名鑑を見ていると、出身校の欄が目に入る。「この学校、他の球団の誰かも卒業してたな」とページをめくって探してみる。その過程でまた別の発見があったりする。そうやって知識は蓄積され、定着していくのだ。もちろんググれば一発で正解に辿り着けるし、その方が効率的だと思ったから昨年は買わなかったのだが。この1年間で「検索」と「探求」は似て非なるものだと実感した。

音楽や映像メディアがあっという間にデジタルに置き換わったのに比べ、読書が依然として印刷物メインなのはそれなりの理由があるのだと思う。「もし大昔から電子書籍しか無かったとして、いま紙の“本”というものが発明されたら人々は嬉々としてそちらに移行するのではないか」。こんな一文を10年くらい前にどこかで目にしてハッとしたことがある。もっとも、ホリエモン信者には鼻で笑われるのだろうが。

それぞれの良さはあるが、やっぱり選手名鑑はページ一杯に顔写真が広がる紙の形式に限る。そんなわけで今年はベースボールマガジン社のポケット版を購入した次第である。

 

選手名鑑は時代を映す鏡だ

 

昭和の選手名鑑には選手の住所が載っていたのは有名な話だ。漠然とした市町村だけでなく、マンション名から部屋番号まで書いてある。よくこれで変な事件が起きなかったものだと感心する。

平成に入ると住所は消えたが、2000年代半ばまでは家族構成の掲載は続いた。奥さんの名前もそうだが、子供の名前を見るのが実に楽しかった。例えば7人家族の工藤公康ファミリーは5人の子供の名前がご丁寧に全員載っていて、3人くらいが仏教徒のような珍しい漢字を充てた名前だったのをよく覚えている。そのうちの1人が俳優として活躍する工藤阿須加である。

時代を感じるものとしては1990年代前半にカラオケの十八番が載っていたこともある。世は空前のカラオケブーム。何を選曲するかでその人のセンスが問われた時代である。ベテラン選手は大抵が演歌、若手はJポップという区分けがはっきりしているのが面白い。

 

大洋の三浦大輔の十八番、わかる?

 

あれだろ、永ちゃんの「I love you,ok」とか

 

正解は「いとしのエリー」でした

 

YAZAWAじゃないんかい

 

20年後に見返すと楽しい選手名鑑

 

年次ごとに更新されるネットの選手名鑑と違い、紙は半永久的に手元に残るのも嬉しい。特に顔写真は若かった選手が段々と大人の顔になり、やがて哀愁に満ちた大ベテランへと変化する過程が楽しめる。他のスポーツよりも選手寿命が長いプロ野球ならではの楽しみ方だ。

選手名鑑は20年後に見返すと面白い。10年前だとまだまだ今でも現役の選手がたくさんいるが、20年前になると99%の選手が入れ替わる。結末を知っている物語を読むように、その選手の顛末を知った上で見ると実に味わい深い。「大成しなかったんだよなあ」とか「まさかこの選手が3億稼ぐとはなあ」とか。場合によっては故人になっていたり、後年犯罪に手を染めてしまった選手もいたり……。

選手名鑑とは一人ひとりの人生の記録簿だ。今年、あどけない表情で映る新人選手たちはこれからどんな人生を辿り、いずれ2019年の選手名鑑を振り返った時にどんな気持ちにさせてくれるだろう。正解は20年後に。