ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

又吉起用法論争

 

3日に生出演した「サンデードラゴンズ」で与田監督が又吉克樹の起用法について“先発で考えている”と公言した。

又吉は2017年にも先発で9試合61.1イニングを投げて完封を含む3勝負けなし、防御率2.63という好成績をあげたが、当時の森監督から「左打者に通用しない」と先発失格の烙印を押され、シーズン途中から中継ぎ再転向を余儀なくされた。

 

後に又吉本人が納得してなかったと暴露してるし、はたから見ても不可解な再転向だったよな

 

結局又吉のキャリアの中で先発登板したのは後にも先にもこの9試合限り。残りの273試合を中継ぎとして登板している生粋のリリーバーにも関わらず、今回の先発再々転向プランに対してファンから好意的な反応が多く聞こえてくるのは、それだけ先発として登板した9試合で鮮烈な印象を残したからだろう。

しかし一方で2017年はリリーフ転向後、41試合48.1イニングで防御率1.48と先発時を凌ぐ成績をあげた事にも触れておきたい。つまり一概に森監督の判断が間違いだったと断じる事もできないのだ。

 

ファンの間でも意見が割れる又吉起用法論争。客観的に見てどちらが適切なのかを考えてみよう

 

先発又吉と中継ぎ又吉は全く別の投手だ

 

全盛期の佐々木主浩や藤川球児が先発で投げたらどんな凄い成績を残すのだろうか。誰もが一度は妄想した事があると思うが、実現しなかったのにはそれなりの理由がある。「先発には先発の投げ方が、中継ぎには中継ぎの投げ方がある」。こんな当たり前の事を“先発又吉”はあらためて証明してみせた。

“中継ぎ又吉”が150キロを超える速球で高い奪三振率を誇る投手なら、“先発又吉”はペース配分に重きを置いた、打たせて取るタイプの投手に変身する。

 

2017年の成績を見てみると、救援登板時の奪三振率8.94に対して先発時は4.38。ストレートの球速も救援時のMAX152キロに対して先発時MAX148キロと差は歴然で、意図的に投球スタイルを変えているのが明らかだ。

この差を見て先発の数字は物足りないから中継ぎで使うべきだと考えるのは自然だし、逆にこれだけクレバーにスタイルを変える事ができるなら、先発不足のチームとしては先発でローテを守ってくれた方が心強いとも言える。

 

ん?結局どっちなんだ?

 

与田監督は投手陣再建の手段として後者、つまり中継ぎよりも先発の充実を優先したいんだろうね。
未知数の石川翔やロメロに懸けるより少ないながら先発経験のある又吉に期待するのはごく自然な流れだ

 

便利すぎるが故の深刻な又吉依存

 

投手にとって一番困るのが役割が一定ではない事だろう。「ある時は勝ちパターンで、またある時は敗戦処理」、これではブルペンで肩を作るタイミングも読めない上に、必然的に登板数も嵩んで疲労が溜まってしまう。特に昨年9月4日、神宮球場での悪夢のような敗戦は中日新聞紙上で場当たり的な投手起用に対する糾弾記事が掲載されるなど森政権の失政として槍玉に上がる事が多い。

2軍で先発として調整してきた投手が1軍では中継ぎ起用される事も度々あった。ここ数年、そのような一貫しない起用法に最も振り回されてきた投手こそ又吉に他ならない。

 

入団5年間で282試合359.2イニング。先発した9試合61.1イニング分を差し引いてもあまりに多すぎる。しかも毎年のように役割が変わり、さらにシーズンの中でも起用法が定まらず、それでも最低限の仕事はできてしまうためベンチも又吉に依存するという悪循環。又吉というと手痛い敗戦にやたら絡んでいる印象も強いが、あれ単に分母が多いだけだと思う。

岩瀬仁紀や山口鉄也などごく一部を除いてリリーバーの耐用年数は持って5年と言われている。又吉は今年6年目。独立リーグを経由しているため数え年で29歳のシーズンを迎える。ちょうど岩瀬が抑えに転向したのと同じ年齢だ。

 

先発又吉でシーズン完走を!

 

先発から中継ぎに“降格”させられた2017年の年末、「サンデードラゴンズ」に出演した又吉は「欲求不満でした。何も(降格の)理由を言われなかったので。(再び中継ぎで投げたときは)ぶち切れてました。近藤コーチに『そんなに怒るなよ』と言われましたね」と不満を隠さなかった。

先発への未練はある。見返すべき森監督はもう現場にはいないが、首脳陣が一新した今季はどうやら最後まで先発で完走できそうだ。