ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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英智を探せ

 

いよいよ明日からキャンプイン。とは言っても既に合同自主トレの模様が逐一映像付きで入ってくるネット社会の昨今において、昔ほどキャンプを節目として捉えづらくなったのは確かではある。

それでも目に見える変化として選手達のユニフォーム姿が見られる。ただこの一点をもってワクワクできるのは、やはりユニフォームがプロ野球選手の戦闘服であり、我々ファンもそれを見て初めてスイッチが入るからだろう。

2月1日。開幕はまだ先だが、ユニフォームに袖を通した瞬間に戦いは始まる。

 

あっという間の一ヶ月。この短期間でどれだけ底上げできるかが一年を決めると言っても過言ではない

 

一年の計は元旦にあり。ならぬ一年の計はキャンプにありか

 

「その通り。荒木も井端も森野も、チームを支えた選手達はみんなキャンプで強くなったんだ」

 

「今年は首脳陣が一新して、先入観なく選手が平等にスタートラインに立って戦う事になる。加藤匠馬を筆頭に無名の若手の突き上げが楽しみだ。誰か注目の選手は決めてる?」

 

「個人的に注目したいのは選手個人ではなく英智の発掘だね」

 

「英智の発掘?どういう意味だ?」

 

「工藤隆人が引退して、今のドラゴンズにはまともな代打要因も代走・守備要因もいなくなってしまった。これって一年戦う上でかなりキツい状況なんだ。強いチームには必ずスペシャリストがいる。昔でいえばスーパーサブ渡辺博幸、バント川相昌弘、そしてなんと言っても……」

 

英智!あの守備と走塁は凄かった。かれこれ25年近くドラゴンズを追いかけてるけど、英智を超えるスペシャリストは見た事がないし、今後も現れないだろう。そのくらい身体能力と野球脳が並外れた選手だったね」

 

「象徴的だったのが2004年の日本シリーズ第1戦。1点ビハインドで迎えた5回表の2死一、三塁でフェルナンデスの打ったなんでもないライトフライを英智が落球してしまうんだ」

 

「本当になんでもないライトフライだったよね。まさかよりによって英智が落球するとは」

 

「試合後、落合監督は敗因になったこのプレイの事を聞かれてこう答えたんだ」

 

 

あいつが捕れなきゃ、誰も捕れないんだろ。
よっぽど難しい打球だったんだろう

 

「これは皮肉でもなんでもなく、英智の守備力を最大級に評価しているからこその言葉だ。

単なる守備・走塁要員ならどこの球団にもいるけど、監督にここまで言わせる真のスペシャリストは英智か、元巨人の鈴木尚広くらいじゃないかな」

 

「今の中日に英智になれそうな選手なんているか?」

 

「その質問に対して『いないよねえ』と言って溜め息をつくのは簡単だ。だけど、それじゃいつまで経ってもスペシャリストなんか見つかりっこないね。

上にあげたようなスペシャリストも最初からスペシャリストだったわけじゃない。適性を見出されて、役割を与えられ、試行錯誤の末にスペシャリストの座を掴んだんだ」

 

「確かに。英智なんか落合に見出されてようやく一軍に定着したのが大卒6年目だ。急に強肩が覚醒したわけでもあるまいし、それまでの5年間は周りが英智の適性に気付けてなかったんだね」

 

「2003年の開幕前に山田監督が『蔵本(英智)っていうパンチ力のある若手がおもしろい』と言ってたのをよく覚えてる。もしその印象のまま起用されていたら『なんだ、全然パンチ力ないじゃないか』と見限られていただろうね。

たまたまそのオフ、落合が来て人生が変わったけど、人の人生なんてそのくらい周りの人間に左右されるものなんだ」

 

「今の中日にも使い方ひとつで化ける選手はいるかもしれない」

 

「重要なのは色眼鏡を外して選手を見る事だ。どんな選手でもプロに入れるんだから何かしら光る物があるはず。それをうまく拾い上げて役割を与えてやれば頭角を現す選手も出てくるはずだ」

 

「根尾や平田にはなれなくても、控えとして役立てる選手はいそうだね。去年までの首脳陣が見落としてただけで……」

 

「ひいてはチーム力とは控え力だとも言えるだろう。

荒木も認める守備の名手・溝脇隼人超俊足・高松渡なんか見どころがあるんじゃないかな」

 

根尾一色に染まるであろう明日からのキャンプ。根尾に群がる人々を横目に、こんな感じで少し角度を変えて楽しむのもまた一興だろう。

 

 

英智スタイル48

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