ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

井端弘和を振り返る

 

今季から東海ラジオの専属解説陣に仲間入りする井端弘和氏が一足早くCBC「サンドラ」に生出演した。久しぶりのスタジオお目見えにTwitterにも歓喜の声が溢れ、かつてのチームの顔とも言える男が今なお人気健在である事を証明した。

 

衝撃の退団から5年3ヶ月。あの時はもう二度と井端は名古屋に戻ってこないとさえ思ったよね

 

よりによって巨人に移籍したトラウマは結構引きずったよな

 

「丸5シーズンも経つと若い世代の中には“ドラゴンズ井端”を知らない人達が出てきてもおかしくない。

それでも今は昔と違ってYouTubeで過去の映像が簡単に見られるから、それこそアライバのスーパープレイ集なんかを通してその偉大さは伝わってると思うけど……」

 

「一番有名な“あのプレー”は最初見たとき驚いたなあ!」

 

「山井がプロ初完封した2004年9月12日のカープ戦だよね。あの時の興奮は今でもはっきり覚えてる。

ただ、8月の浜スタでも未遂に終わったけど試してはいるんだよ。だから決して捨て鉢やまぐれではなく試行の賜物といえる」

 

「井端のプレイには常に意図と根拠があった」

 

「まさしく。井端は走攻守すべてにおいて大局的に試合展開を読んだ上でプレイしているような、そこはかとないクレバーさを感じさせる選手だったよね」

 

「例えば?」

 

「例えばカウントの整え方。普通はカウントを整えるのは相手バッテリーの方だけど、井端の場合は執拗なカット、絶妙な選球眼を武器に相手を精神的に追い込んで有利なカウントを作る技術があった。

一打席で10球とか放らせる事もざらで、そうなると相手のリズムや継投タイミングを狂わせる事ができるんだ。アウトになるにしてもタダじゃ帰ってこないというか。まさに京田に足りないと言われてる部分だね」

 

「観てるこっちも『今のアウトは意味があるアウトだ』ってな風に深読みをするようになって、“観戦偏差値”が上がってく感じが楽しかったよね」 

 

「落合の禅問答みたいな試合後コメントも込みで、あの時代のドラゴンズは勝った負けた以上に考えさせられる部分が多くて面白かった。

ただ、当然ながらそこまでディープなファンばかりでもなく。スポーツニュースで試合結果を確認する程度のライトなファンが離れたのも必然だったとも言える」

 

「その象徴のひとつが『今日の収穫は井端のゲッツー。お前らには分からなくて結構』だよね」

 

「2004年5月11日ヤクルト戦後の落合コメントね。正確には

『井端のサードゴロが一番の収穫。君たち(報道陣)には分からなくて結構』

あまり知られてないけど翌日井端は4の4で不振を脱し、試合後には

『昨日、監督にああ言ってもらえて、自分のやってることが間違いじゃないと自信を持った』

とコメントしてるんだ。

右打ちを意識し過ぎていた井端が思いっきり引っ張って痛烈なサードゴロ併殺を打った。この日を境に2割5分だった井端の打率は3割前後まで上昇し、前日最下位に転落したチームも急上昇して優勝へひた走ることになる」

 

「ここから数年、井端の落合に対する心酔ぶりはすごかったね」

 

井端コーチ就任待ったなし!

 

井端と落合は確かな信頼関係で繋がってた。それだけに2013年秋の絶縁とも言える退団は切なかったな

 

すごく好きだったおしどり夫婦がいきなり離婚したような……戦力どうこうを超えた寂しさがあったね

 

「井端も自己主張の強い選手だから、2010年のセカンドコンバートあたりから少しずつ落合との蜜月が怪しくなってるような雰囲気はあった。ま、ここら辺は本人達にしか知りようもない領域だから敢えて触れる気もないけどさ」

 

「中日との距離感という点では高木監督時代には破綻してた」

 

「うん。試合中に堂々とベンチで高木監督と喧嘩してたしね(笑)

ただ、名古屋にこうして戻ってきたから言うわけじゃないけど、事情はどうあれ一度中日を離れて他のチームを選手、コーチとして所属した経験は得難い物として今後必ず生きてくると思うよ」

 

「今季は解説者として外から中日を見るけど、秋にはコーチ就任もあり得るのかな?」

 

あり得るどころか既定路線でしょ。

与田監督とは亜細亜大の先輩後輩だ。亜大といえば学生球界でも図抜けた上下関係の厳しさが有名。与田が頼んで首を横に振る権利は井端にはないよ

今年はさすがに自分から巨人を辞めた手前もあって現場からは退いたけど、出身地でもない名古屋に戻ってきたのはコーチ就任の準備だと思って間違いないだろう」

 

「それだけが理由じゃないだろうけど井端退団とチーム成績低迷は時期的にリンクしてる。根尾入団で追い風が吹いてるタイミングでナゴヤドーム野球の申し子とも言うべき井端復帰は中日復活の決めの一手になる気がするぞ」

 

「かつてチームを支えたメンバーが再び集って低迷するチームを押し上げる。ストーリー的にはこれ以上なくアガる展開だ!」