ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

落合氏が指摘する大島洋平の守備劣化を考える

 

落合博満による大島disが止まらない。

 

根尾について聞かれると(中略)「あれだけの脚力があって、肩の強さがあったら、もう大島じゃないでしょ」とゴールデングラブ賞を獲得した大島洋平(33)との“世代交代”についても言及した。

 落合氏は続けて「こうやって言うと野球を知っている人は『なんで大島じゃないの?』って。大島はゴールデン・グラブ取って『うまい、うまい』って言うでしょ。(しかし大島は)フェンス際が怖がっているように見える。ボールと追いかけっこしちゃう。オレ一人がこんなこと言ったって、周りは『大島はうまい、うまい』って言っているんだもん」と話していた。

スポーツ報知(配信:12月15日)より

 

以前から落合が折に触れて大島をdisっているのは有名な話だが、このところメディアに出まくっては今まで以上にボロクソに言っており、その執拗さはなにか個人的な私怨があるのではと勘ぐりたくなるほどだ。

監督時代の2010、2011年にはレギュラーとして球団史上初の連覇にも貢献した大島は、いわば愛弟子でもあるはず。その愛弟子に対して厳しい物言いをするようになったのはGMに就任してからの2014年頃だ。この年の契約更改で「守備範囲が狭くなった。俺が監督なら使わない」と直接言い放ち、さらにドラフトで友永、井領の両外野手を指名した事についても「お前がそんなんだから獲った」とモラハラとも捉えられかねない暴言を浴びせたのだ。

これ以降、少なくとも落合が公に大島を褒めているのを聞いたことがないし、もはや最近の発言を聞いていると“認めているからこその苦言”というような擁護をするのも難しく、お気に入りの荒木とはあまりに違いすぎる扱いに落合支持派の私もさすがに首をかしげざるを得ないほどである。

 

大島の守備力は本当に劣化したのか

 

落合いわく現時点でも根尾のが上と言うほど大島の守備力は著しく劣化しているらしいのだが、果たして本当のところはどうなのだろうか。

たしかに素人目にも以前より守備範囲が狭くなったように感じるし、年齢を考慮してもそろそろ不動のセンターという立ち位置には固執しなくてもいいのかなとも思うのだが、所詮は印象論に過ぎない。

こういう事は、きちんと統計データで確認する必要がある。

さっそく過去5年間の守備指標から“本当に劣化したのか”を分析してみよう。

  

大島洋平 Inn RngR UZR 順位
2014 1227 17.9 23.7 1
2015 1206 15.8 15.7 1
2016 1265 4.7 5.9 2
2017 1070 2/3 -4.9 -5.6 6
2018 1242 2/3 10.3 11.9 1

 

 まずはっきりと言えるのは、大島洋平は12球団のレギュラー中堅手で間違いなくトップクラスの守備力を誇る選手だという事だ。

驚くべきは右肩下がりだった数値が今季になって上昇、丸や秋山を抑えて再びUZRでトップ(「順位」欄)に返り咲いた。昨年までなら確かに落合の目利き通り劣化したと言えるのかもしれないが、今季は守備範囲の広さを示す「RngR」も2015年以来の10点台に乗せるなど劣化どころか再上昇に転じた。

不思議なのが一気に順位を落とした2017年だが、怪我等の状態次第で一時的に指標が低迷するのはしばしばある事だそうだ。大島の昨季の怪我といえば8月31日の死球による右足腓骨骨折を思い出すが、それ以前にも公表はされていないもののどこかに不調を来していたのかもしれない。今季はこの急な低迷が劣化によるものなのか、一時的なものなのかを見極めるうえで重要なシーズンとなったが、見事に後者だった事を証明してみせた。

また落合が契約更改の席で直接苦言を呈した2014年の守備に関しては、火を見るよりも明らかに極めて優秀な数値を叩き出しており、これでボロクソに言われたのだから大島が怒りをあらわにして保留したのも当たり前である。

しかも表にはないが前年2013年のUZRが9.2なので、23.7を記録した2014年の大島の守備はヘタになったどころかキャリハイ並みの好成績だった事になる。

 

かんっぜんに落合の勘違いじゃねえか!

 

大島の守備がうまいのはデータが裏付けてるね

 

後継者獲得が急務

 

とは言え、来季で34歳を迎える大島にいつまでも頼りきるのもいかがなものか。落合が言うようなあからさまな劣化はしていなくても全盛期ほどの圧倒的なパフォーマンスは望めないし、さすがの名手大島といえどもここからは緩やかに数値が下がっていくのは間違いない。

 

では2.3年後に後を継げるような有望な若手がいるかと言うと、残念ながら見当たらないのが現状だ。にも関わらず頭数だけは揃っているためここ4年間のドラフトで指名した外野手は伊藤康、滝野の2人だけ。育成指名の渡辺勝が支配下登録されたが、このうち将来的にセンターとしての出場が見込めそうなのは高卒1年目を終えたばかりの伊藤しかいない。

皮肉にも落合が推薦するセンター・根尾のプランは大島どうこうではなく若手外野手層の薄さを念頭に置けば極めて真っ当という見方ができてしまうのだ。

 

予定通りに根尾を内野手で育てるのであれば、来年のドラフトは即戦力の外野手の指名は必須。さもなくば伊藤を死ぬ気で育てるか。それまでは大島に持ちこたえてもらわなければならない。