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与田を読む 2冊目

「与田剛のメジャーリーグ剛球解説」

 

新監督・与田剛を知りたくば著書を読め!

 

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「与田剛のメジャーリーグ剛球解説」

2008年3月1日発刊 NTT出版

 

簡単な書評

 

NHKのMLB解説者としても活躍した与田剛が2008年当時のMLBを多角的に紹介する初心者向けのガイドブック。

前半は移動距離や登録枠の違いなど日本とメジャーの比較や下部組織の説明など。

後半では当時メジャー2年目を迎えようとしていた松坂大輔が今後も契約金に見合った活躍ができるのかを解説。また終盤は当時のスター選手と日本人選手の寸評が何十ページも続くなど今読んでもあまり意味のない内容だ。このあたりは飛ばして読んでも構わない。

 

全体的に与田の主張や私見は抑えめで、どちらかと言えば監修という意味合いが強い。時事的な側面も強く、よほどの暇人でもなければ今敢えて手に取る必要はない。

 

 

メジャーの方法論を理解しているのは貴重

 

本書自体に目新しい発見はないが、与田監督がメジャーの方法論を理解しているのは中日にとって大きなプラスをもたらすはずだ。例えば投手の調整法にしても付け焼き刃ではなく過去の事例を引き合いに語れる日本の解説者・指導者がどれだけいるか。

 

実際、楽天コーチ時代には怪我しがちな美馬、辛島、塩見を中6〜10日の余裕を持った登板間隔と球数制限の管理で上手にやり繰りしてシーズン完走させたという実績を残したそうだ。

中日の泣き所である投手運営をメジャー流の無理させない調整法で安定させてくれれば、それだけで与田監督の1年目は合格だ。

 

だからこそ投手コーチに誰を連れてくるかが重要だね

 

デニー、朝倉ときたら次は誰が来ても大歓迎されそうだな

 

 

一軍と二軍の連携不足について

 

なんと本書では近年よく問題点として上がる一軍と二軍の連携不足について言及がある。

 

 選手の育成に関しても、アメリカのメジャーとマイナーの関係に比較すると、日本は一軍と二軍の連携や、役割分担がうまくできていないような気がする。

 日本でまれにあるのが、二軍で、二軍のコーチからピッチングやバッティング技術を徹底的に教えこまれた選手が、一軍に上がったら、今度は一軍のコーチからまったく違う指導を受けて混乱してしまうケース。

(一部省略)

それで、あの選手はコーチにつぶされたというようないい方をするのだが、本当のことをいえば、それはコーチが悪いのではなく、一軍・二軍を通じてひとりの選手をきちんと育てる体系ができていないチームの責任だと私は思う。

26頁より

 

二軍で教えられた打撃フォームを一軍で波留に直させられたり、二軍で先発として調整してきたのに一軍では朝倉にリリーフで使われたり。

近年の中日は一軍と二軍との意思疎通がうまく出来ていないのが明らかで、一人の選手をどのように育てていくかという簡単な方針すらも共有されていない状況にある。

だが与田監督は10年以上も前にそれを問題視していたのだ。なんて頼もしいんだ。

 

 

情報と方法論の共有は組織の基本だが、残念ながらそれすら出来ない組織が山ほどあるんだ

 

石垣君や石川翔君の飛躍も近いかもね!

 

 

職務に対する意識の高さ

 

就任会見で「(監督業は)仕事ですから責任もあります」という言葉を使っていたのが印象的だった。「仕事ですから」。星野や落合のように仕事を超越して人生そのものを懸けて監督業に臨む姿を見てしまうと、いささか「仕事だから仕方ない」という風な冷めた発言にも思えるが、それは違う。

 

与田の著書を何冊か読んでいると、プロ野球という職業へのリスペクトを非常に感じるのだ。与田は3度の戦力外通告を受け、「5年後、10年後には球界から離れてまったく別の仕事をしているかもしれない」という危機をもって生きてきた人間である。

だからこそプロ野球に携われる幸せを身をもって知っているし、与えてもらった仕事だからこそ責任感をもって全うしなければならないことを分かっているのだ。

 

本書ではこんな記述がある。

 

2000年に、A.ロドリゲスがレンジャーズと10年で総額2億5200万ドルという大型契約を結んだ。そのときのインタビューで、ロドリゲスが「私は、この金額に見合う人間にならなければならない。その義務がある」と答えるのを聞いて、たいへん感動したことを覚えている。

 日本人選手なら「ありがとうございます。頑張ります、応援よろしくお願いします」ぐらいしかいわないだろうし、また、その程度で十分と当時の私も思っていたからだ。

(一部省略)

 そういう高い意識をもっている野球選手が、日本にはどれくらいいるのだろうか。

56頁より

 

 

いやはやビックリするほどの山﨑バッシングだね!

 

契約更改時に「年俸4,300万円じゃランボルギーニの車体の3分の2しか買えないよ」という成金ギャグで記者をドン引きさせたのは記憶に新しい

 

補足:だが一方で山﨑は火事場から子供を救う心優しき一面も持つ男だ。確かに色んな意味で意識は低いが、純粋すぎるがゆえの「低み」なのである。