ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

与田を読む 1冊目

「中継ぎ力 リストラ社会ニッポンの新しい生き方」

 

新監督・与田剛を知りたくば著書を読め!

 

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「中継ぎ力 リストラ社会ニッポンの正しい生き方

2010年2月25日発刊 ワニブックス【PLUS】新書

 

 

簡単な書評

 

現役時代にリリーフ投手として活躍した与田剛が自身の野球生活を振り返ると共に、リストラ社会と言われる現代社会こそ「つなぎ」の精神が大事なのだというこの手の著書にありがちな飛躍したテーマに沿って3度の戦力外通告を受けた経験や、慣れない解説仕事を創意工夫で乗り越えてきた経験を交え、何事にも挫けず諦めない生き方と準備することの大切さを提唱する。

 

なおこの本が発刊されたのは2010年2月25日。例の事件が発覚するのは約一か月後の3月30日であるが、本書の中では女性関係の戯言は口直し程度にも一切登場せず、まじめな人生論に終始した至って硬派な一冊である。

 

 

なぜ与田が監督に抜擢されたのかを考える

 

与田の次期監督就任が報道された時、おそらく大半のファンがなぜ与田なんだ?と思ったに違いない。だって中日には立浪さんとか、山﨑とか、昌さんとか、もっと監督に相応しそうなOBはたくさんいるからだ。

与田なんて30年近く前の選手で、しかもたった6年しか中日におらず、それから今日までほとんど中日に関わって来なかった部外者同然の人物なのだ。

 

だが並み居る候補者に目もくれず白井オーナーが与田に白羽の矢を立てたのにはそれなりの理由があるに違いない。他のOBに無くて与田にはあるものが!

そのあたりのヒントを本書から探っていこうと思う。

 

 

与田剛は手抜きもふて腐れもしない!

 

印象深い一文があるので紹介しよう。

 

 では、残留した選手はクビになった選手と何が違ったのか?

 それは普段の姿勢である。普段の練習や、試合、生活態度などが、首脳陣に「もう1年あいつにチャンスを与えよう」と思わせることができたかどうかの違いである。

 チャンスを活かすのは自分の力である。しかし、チャンスを与えてくれるのは、周りの人間である。自分に力があるとしても、それを活かせる環境なり、チャンスなりを周囲から与えられなければ結果を残すことはできない。

 普段から何事にも一生懸命やる人間には、自然とチャンスも多く巡ってくる。

141頁より

 

本書で言及しているのは残留した選手とクビになった選手の話だが、これをそのまま「監督になれる者」と「なれない者」に置き換えてもまったく同じことが言える。

 

 

ああ、つまり当たり前のようにキャンプの朝練を寝坊してくる今中の事だね!

 

宿舎まで走って帰れ!と命令が出てるのにコーチの姿が消えた途端タクシーを拾う立浪の事でもあるぞ!

 

 

 また与田はついつい陥りがちな自惚れへの戒めも忘れない。

 

 私も結果が出ずに苦しんでいる時期に、敗戦処理として投げていた。

 最初に指名された時には、やっぱり「なんでこんなところで投げないといけないんだ」という思いがあった。

 (一部省略)

 自分が置かれている立場を忘れて「オレにはもっとできる」と望む。もちろん、目標は高く持たなければいけないのだが、自分の現在置かれた立場というものを認めない限り、「なぜ」「どうして」という負の思いばかりが重なり、心はどんどんつらい方向へ行ってしまう。

204頁より

 

 

あれ!これってまるでベンチへの不満をやる気のないスイングでアピールする山﨑の事じゃないか!

 

ほんとだ!二軍落ちにふて腐れて練習もサボって無断で帰宅した山﨑みたいだ!

 

 

このように与田は中日OB達が持つ良くも悪くもぬるま湯的な体質をストイックな姿勢で一刀両断しているのだ。

実力世界の常に上位に君臨してきた者が見せる隙とでも言おうか。どちからかと言えば苦節を多く味わってきた与田にはそんな隙を見せるような余裕は無く、目の前の課題に一生懸命打ち込んできたが故にこのストイックさが生まれたのかも知れない。

 

解説者に転身してからもストイックな姿勢は変わらない。準備不足で臨んだ解説デビュー戦で情けないほどの大失敗を味わい、そこから他人の言葉遣いを研究したり選手名鑑を読み込んだり、解説という仕事を全うするべく日々勉強に励んだのだという。

 

そして本の中で与田はダメな解説者について言及している。

 

 入団したばかりの若い選手でも、いつ一軍に上がり、活躍するかはわからない。そんな選手が試合に登場した時、視聴者が一番聞きたいところは「この選手はどんな選手なのだろう?」ということである。

 それを私が「知りません。誰でしょう?」と言っていては、解説者としての看板は返上しなければならないだろう。

76頁より

 

 

このオリックスの若い選手知らないなあ。解説者さん、この選手はどんな選手なの?

 

知りません。誰でしょう?

 

 

結論:与田はここら辺のOBより監督になるにふさわしい