ちうにちを考える

中日ドラゴンズを浅く薄く考えます

結局のところ森繁は「ようやっとる」のかを考える。

 

今年も残念ながら悲願のAクラス入りは厳しそうだね

6年連続Bクラスは紛うことなきぶっちぎりの暗黒オブ暗黒だ

 

コアラ「2年以上政権を任されてBクラスから脱却できなかった森繁和監督は普通なら解任が妥当なんだけど、どうやらそう一筋縄にはいかないようなんだ」

りゅう「事の始まりは8月20日。白井オーナーが森監督の来季去就について“それは非常に言いにくい”と当初の続投方針が白紙になりつつある事を示唆したのがきっかけだ」

 

コアラ「遡る事一か月前のオーナー報告の際ははっきりと続投を明言してた。確かにそこから坂を転がり落ちるように借金を増やしたけど、どうも白井オーナーは戦績よりも本社への投書やら抗議電話を問題視したようなんだ」

りゅう「いうてもビジネス。いうても株式会社だからね」

 

コアラ「ところが、これに反発したのがネット民だ。それまであまり目立たなかった森繁支持の声がたちまち上がり、続投を要求するような応援ボードを球場で掲げる運動まで広まった。

意外というべきか、チーム成績とは裏腹に森繁監督に対して一定の評価を認めているファンは少なくなかったんだね」

りゅう「落合曰く勝利が最大のファンサービスなんだろ?勝てない森繁がファンの支持を受けるのはおかしくないか?」

 

コアラ「たしかに。同じく苦労しているオリックスの福良監督なんかはかなりキツい声を浴びているようだし、記憶にも新しい高木ジョイナス政権は、たった一年Bクラスに沈んだだけで酷い言われようだった。

数字だけ見れば当時よりも悪化しているはずの森繁監督がなぜ擁護されるのか?そして、やはり辞めさせるべきではないのか?そこら辺を一緒に考えていこう」

りゅう「要するに森繁はようやっとるのか、やっとらんのかっちゅう事だな」

 

 

森繁監督の功績

 

擁護されるという事は目に見える功績があるという事だ

もちろんだ。森繁じゃなければ今季はもっと悲惨な成績になっていたかもしれないよ

 

功績1.大島、平田の残留

 

コアラ「2016年オフ、国内FA権を取得した大島洋平平田良介は共に移籍をほのめかし、またファンも内心では移籍を覚悟していたんだ。

何しろ落合GM主導のいわゆるコストカット路線の評判がすこぶる悪くて。

嘘か真かアマ球界からも中日以外の11球団志望なんて屈辱的な言葉が上がったほどだ。

そんなチームにわざわざ他所からのオファーを蹴ってまで残れという方が無理がある」

りゅう「しかし結果はまさかの両者残留だ。もちろん法外な年俸を提示したわけではなく、ごくごく常識的な契約で残留してくれた。なんで??」

 

コアラ「監督が森繁に決まったからさ。先に残留を表明した大島にとって森繁は駒大の大先輩にあたるからね。

「(森監督が)一番残して欲しい選手だと言っていると代表から聞きました。何度か電話もして、残って監督を優勝させてあげたいという思いで決めました」2016年10月31日 大島洋平残留会見より

 

 政界同様、球界は学閥がモノをいう世界だ。大先輩からラブコールを受けて粋に思わない野球選手はいないよ」

りゅう「ふむ。これに呼応するかのように平田も残留を表明。もし大島が移籍を選んでいたら連鎖的に平田も……となっていた可能性はかなり高いだろうね」

 

コアラ「入団以来の師弟関係でもある吉見一起も『森監督は怖いけど優しいところがある』と証言してる。いざこざも聞いたことがないし、選手から慕われているのは間違いなさそうだ」

りゅう「試合中にベンチで井端と喧嘩してた高木はえらい違いだな」

 

功績2.驚異的な外国人の目利き

 

これは誰もが認める森繁特有の才能だね

特に今年は過去に例がないほどすごかった

 

コアラ「何しろビシエドアルモンテ、ガルシア、ロドリゲスだよ。外国人の活躍なくして今季の中日の飛躍(?)は無かったと断言できるね。

もちろん今に始まったわけではなく、毎年オフになるとドミニカへ旅立って海のものとも山のものとも知れぬ無名外国人を連れて帰ってくるんだ。

そもそもの発端はT.ウッズの契約問題で中日がMLB代理人協会だかの不信感を買って米国とまともに交渉ができなくなり、仕方なくドミニカで選手調達するようになった事から始まったらしいけど。

今や森繁コネクションは誰も真似できない唯一無二の独自ルートとして定着した」

りゅう「言い換えれば森繁が球団を去ったらこのルートも絶ってしまうわけだ」

 

コアラ「その通り。それどころか他球団が森繁を何らかの役職で雇ったらこのルートも丸ごと持っていかれる事になる。それを恐れて森繁の続投を望むファンも多いようだね」

 

功績3.松坂大輔獲得と観客数増加

 

コアラ「ファンも評論家も、そしてオーナーまでもが反対していたのを突っぱねて松坂大輔を獲得したのは、他ならぬ森繁だ」

りゅう「これは中日のみならず球界全体に衝撃を与えたし、おそらく未来永劫、球史に残る出来事として記録されていく事になるだろう」

 

コアラ「おそらく森繁もここまで戦力としてきっちり働いてくれるとは思ってなかったんじゃないかな。低迷するチームへのカンフル剤として投入した意味合いが大きいと思う」

りゅう「何しろソフトバンクでは3年間ほぼ何もしてないに等しいからね。開幕前の評論家の予想は、そりゃもう辛辣そのものだったよ。

山﨑武司は獲得反対を明言してたし、金村義明プロが見れば通用しないのは一目瞭然とまで言っていた」

 

山﨑と金村……いかにもな人選だね

開幕してからの手のひら返しまでが様式美だでよ

 

コアラ「そして思わぬ副産物としてナゴヤドームの観客動員数が激増したんだ。

2010年以来となる平均観客動員数3万人の大台に乗り、グッズも松坂関連商品を中心にバカ売れ。2017年にはセ・リーグで唯一前年比割れという屈辱を喫した中日だけに、営業サイドもホッと胸をなでおろしている事だろうね」

りゅう「まさか今なお松坂大輔にここまでの市場価値があるとはな。

まさに平成最後のシーズンに平成の怪物が久々にお目覚めといったところか

 

功績4.辛抱強い若手起用

 

高木、谷繁が結局手をつけずに去った世代交代を推し進めたのも森繁の功績だ

主に京田陽太、高橋周平あたりは森繁チルドレンだな

 

コアラ「そもそも就任会見で“自分はつなぎの監督”でありいい形で次の人にバトンタッチできれば”って言ってるからね。

“次の人”が誰を指すのかはさておき、森繁監督の使命は勝つことよりも若手を育てて底上げを図る事なんだよ」

りゅう「なるほど。弱くても森繁を支持する声が大きい理由が見えてきたぞ」

 

コアラ「もちろん若手を育てると言っても簡単にできる事じゃない。ある程度目の前の試合を犠牲にする覚悟がないと若手なんてそうそう育つもんじゃないよ。

その象徴が今季の京田だと思う。2年目の飛躍を期待されて臨んだシーズン、蓋を開けてみれば見るも無残なスランプに陥って打率は終始2割そこそこで低空飛行。

打撃の不振が守備にも影響したのか、序盤はUZR(守備指標)でマイナスを記録するなど攻走守すべてにおいて精彩を欠き、どうなる事かと」

りゅう「それでも森繁は京田をスタメンから外さなかった」

 

コアラ「もちろん代わりがいないというのもある。しかし、それにしても京田本人のためにも一旦抹消してリフレッシュさせるとか普通なら考えそうなものだけど、森繁は徹底してショートのスタメンで起用し続けたんだ。

そうしたら夏場を終えるころからようやく去年の輝きが戻り始め、気付けばUZRは坂本勇人に次ぐリーグ2位にまで急上昇していた」

りゅう「無我夢中の1年目、しんどい2年目を経験して3年目どうなるか楽しみだね」

コアラ「来季すぐに結果が出るかはわからないけど、このスランプが京田の野球人生に活きてくるのは間違いないだろうね」

 

りゅう「高橋周平もようやっと方向性が定まりつつあるかな」

コアラ「まさかセカンドで一年間スタメンを守るとは思わなかった。まだまだ不安定だし粗削りな部分が多すぎるけど、シーズン通して一軍で戦った、そして二桁ホームランに乗せたのはこれ以上ない自信になるはずだよ」

 

 

森繁監督の失政

 

ここまで聞いてる限り稀代の名監督にしか思えないんだが……

当然ながら疑問符のつく部分もあるよ

 

失政1.行き当たりばったりの采配

 

コアラ「具体的な試合中の采配に関しては結果論的なところが多いので置いておくとして。個人的にこの人は選手の上げ下げ、いわゆる選手登録/抹消がとても下手くそだと感じている。

分かりやすい例が今年の8月、ちょうどお盆の時期だ。リードしていても終盤にひっくり返されるという展開が続いていた時期だね。

8月12日のヤクルト戦、守護神を任されていた鈴木博がバレンティンに逆転弾を浴びて負けた試合。森繁は即座に鈴木博を抹消したんだけど、鈴木博は8月に入って5試合投げて1点しか取られてなかったんだ。少なくとも、ただでさえリリーフの台所事情が厳しい中で抹消する余裕なんてないはずだ。

すると次の試合(8月14日のDe戦)では1点リードで迎えた9回に今度は即席守護神のマルティネスが打たれて逆転負けを喫した。そうしたら今度は即座にマルティネスを抹消だよ。これには呆れたね」

りゅう「悪い流れが続くときは泰然自若として耐えるのが吉。慌てふためいてヘタに動くと碌なことにならないのは世の常だな」

 

コアラ「そう。森繁監督はその場その場の雰囲気に呑まれてすぐに選手を入れ替える癖がある。ベンチの焦りはチームに伝染するし、相手チームに察せられたら致命的な隙にもなりかねない」

りゅう「黙して語らず、動かず。ゆえに不気味だった落合監督とは正反対だね」

 

失政2.チーム全体の底上げには至らず

 

さっき若手の育成力を褒めたばかりだけど全体でみれば底上げはできていないとも言えるよ

まあファームのスタメンを見れば言いたいことの察しはつくな

 

コアラ「野手でいえば京田、高橋。投手でいえば小笠原、笠原、藤嶋、鈴木博。

確かにようやく戦えるだけの戦力は整ってきたのかなとも取れるけど、一方で底上げと言うからにはバックアップする控えメンバーも無視できない」

りゅうくん「カープソフトバンクは主力級が抜けても控えが見事に穴を埋める。

一方で中日は今季運よく長期の故障離脱者こそ出なかったが、仮にレギュラー級が一人でも抜ければたちまち貧弱な選手層を露呈することになる」

 

コアラ「もちろんそれは首脳陣も分かっていて、だからこそ今秋のドラフトでは何が何でも野手の目玉を獲ろうと躍起になってるんだ」

りゅうくん「大阪桐蔭の根ぉ……」

コアラ「みなまで言うな。言うとダメだった時のショックが大きくなる」

 

 

まとめ

 

という事で森繁監督の功績と失政は大体理解できただろうか

理解はしたけど、結局コアラ君は続投派なのか?それとも解任派か?

 

コアラ「非常に難しいけど、個人的にはやっぱり試合に勝つための監督としては森繁は非情になりきれないという評価もあって解任やむなしだと思ってる。

功績の部分だけを評価して続投を支持するのも分かるけど、ひと頃に比べれば戦力も充実してきて、観客も入るようになってきた。だからこそ、華のあるスター監督に切り替えてブーストをかけるのも有りかなと」

りゅう「ある意味、森繁続投というのは保守的な意見なのかもね」

 

コアラ「だからと言って球団として森繁を手放すのは絶対NGの悪手だよ。

それをやってしまうと2012年オフ並みの外国人大量放出は不可避だし、さらには松坂も残ってくれなくなるだろう。せっかく長年かけて構築した中南米ルートと、リナレス氏によるキューバルートが途切れるのも痛い。

つまりGMなり編成担当なりという役職で慧眼を如何なく発揮してもらうのがベストじゃないかと。もちろん現時点でこれと言う正解なんか誰にも分らないけどね」

りゅう「そうね。続投派と解任派でファン同士が罵り合うのは見たくない。本来どちらも目指す方向は同じ仲間であるはずだからね」

 

最後になったけど……ここまで考えてきて結局森繁はどうなの?

 うーーーーん……森繁はようやっとる

 

約一か月後、どんな状況でドラフト会議を迎える事になるだろうか。

激動のオフシーズン編につづく。